痴呆症の症状、予防法を教えます

アルツハイマー型痴呆症

高齢者の痴呆症の約5割を占めます。

脳の実質の変性により、神経細胞が脱落し、脳が萎縮しておこる痴呆症。原因ははっきりしていません。この痴呆症のタイプはいつはじまったのか分かりません。最初は物忘れが多くなる程度ですが、次第に時間や場所の見当がつかなくなり、やがて自分が誰なのかの分からなくなります。アルツハイマー型痴呆症の患者は作り話をしたり、妄想や幻覚などの神経症状が現れることがあります。この痴呆症が重度になると、数分前の出来事や、食事の仕方、服の着方まで分からなくなります。最終的には身体機能まで低下し寝たきり状態に陥ります。

またこの痴呆症の発症時期が65歳未満の場合はアルツハイマー病または若年性痴呆症、65歳以上の場合はアルツハイマー型痴呆症に分けられます。通常アルツハイマー病はアルツハイマー型痴呆症よりも症状が重く、進行も早いといわれています。

脳血管性痴呆症

高齢者の痴呆症の約2.2割を占めます。

脳梗塞などの脳の病気によって神経細胞への酸素や栄養が届かなくなり病気の後遺症として痴呆症という障害が起こります。突然の脳血管障害をきっかけに急激に認知症(痴呆症)が発症する場合と、小さな脳梗塞を繰り返しているうちに次第に痴呆症の症状が現れる場合もあります。脳のどの部分で発生したかで痴呆症の症状が違ってくるので、この能力は低下しているが、あの能力は低下していないなど、まだら状に能力が低下していきます。

 脳血管性痴呆症は意欲の低下やめまい・しびれ・麻痺、感情失禁(涙もろくなる)などが見られることがあります。痴呆症の症状が進行して記憶が激しく低下しても、人格や判断力は保たれていることが多いようです。

レビー小体型痴呆症

高齢者の痴呆症の約1.8割を占めます。

レビー小体型痴呆症はレビー小体というものが神経細胞にたくさんできます。

最初は物忘れが多くなり、次第に幻視や妄想がおき始め手足に痺れが出てきます。

レビー小体型痴呆症には、アルツハイマー病が混在する通常型とそれを伴わない純粋型に分けられます。

 通常型では初老から老年期に発症するケースが多く、最初は物忘れや具体的な幻視が見られます。最初のうちは物忘れが多いという認識がある場合もあります。

痴呆症の症状が進行してくると、パーキンソン病のような筋肉がこわばり、スムーズな動きが出来なくなるといった症状もではじめます。

 純粋型ではパーキンソン病のような筋肉がこわばる症状が出てから知的機能低下が見られることが多く、痴呆症の進行速度はなだらかです。

抗精神病薬を使用すると症状が悪化することがあるので、診断を慎重に行う必要があります。